公開日:2019年08月23日
動画の制作費用の目安まとめ|正確な見積もりをとるためのノウハウを紹介
動画は視聴するだけでなく作って公開する人もたくさんいるほど、とても身近な存在になりました。
そんな誰でも気軽に作れる動画ですが、訴求目的があり、クオリティを意識した動画を作る場合はやはりプロの動画制作会社へ依頼する必要があります。
動画制作会社に依頼するメリットについては以下の記事で詳しく解説しています。
動画制作を外部へ依頼するには費用が発生しますが、制作会社ごとに料金設定が異なるためなかなか比較しにくいでしょう。そんなときに参考になるよう、ここでは一般的な費用相場と具体的な見積もりを取るために必要なノウハウを紹介します。
動画制作の費用相場一覧
動画のクリエイティブには一般的に「実写動画」「アニメーション動画」「マンガ動画」「インタラクティブ動画」の4種類があります。
それぞれの料金相場を一覧表にしました。
クリエイティブの種類 | 動画制作の費用相場 |
実写動画 | 50万~200万 |
アニメーション動画 | 30万~100万 |
マンガ動画 | 50万~150万 |
インタラクティブ動画 | 100万~ |
ご覧の通り、動画制作費用相場は金額に大きく幅があります。動画の尺や制作内容によって大きく費用感は変わってくるため、あくまでも目安の費用感と考えてください。正確な見積もりを取るために必要な情報については後ほど解説します。
クリエイティブの種類ごとの料金相場
実写動画
実際にカメラを使って撮影を行う実写動画は50万~200万が相場になります。
かなり費用に大きく開きがあるように見えますが、実写動画の場合、企画費用や人件費、機材の手配など諸々考慮すべき点が多いためです。
「何を撮影するのか」「ロケーションはどこか」「スタッフは何人必要か」「撮影期間は?」「小道具やモデルの手配は必要か」といったように、考慮すべき内容が複数あります。
なお、カメラや照明などの機材を自前で用意したり、特別場所をおさえたり、モデルをキャスティングする費用がなければ制作費用を大きく抑えることも可能です。
アニメーション動画
複数のイラストに動きを加えた動画をアニメーション動画と言います。アニメーション動画の場合、30万~100万が相場となります。
アニメーション動画は実写動画と比べると撮影を行わないため、比較的費用を抑えることができますが、例えばCGグラフィックや3Dといった立体的な映像表現を使用する場合などは、映像表現が複雑になるため、内容次第では上記の見積もりを超えた予算が必要になります。
マンガ動画
ビジネスシーンでも利用が増加しているマンガのイラストに動きを加えたマンガ動画の制作相場は50万から150万になります。マンガ制作費の内訳は以下になります。
①企画構成比
②マンガ制作費
③動画編集費
マンガ動画の制作をするにはまずベースとなるマンガを制作しなければなりません。そして、完成したマンガに音声や効果音をつけたり、キャラクターに動きを入れるといった編集作業を行います。
インタラクティブ動画
視聴ユーザーがクリックやタップといった形で能動的に動画に参加できるインタラクティブ動画の制作の場合、100万~の予算は必要になると考えておきましょう。
インタラクティブ動画は動画内でストーリーを分岐させるために複数の動画を用意をして、それらをつなぎ合わせたり、タッチポイントを用意したりと、通常の動画に比べて編集や企画時の考慮事項が多くなります。そのため、一般的に制作費用は他のクリエイティブに比べて高額になると考えておきましょう。
また、インタラクティブ動画を利用するためには、インタラクティブ機能に対応した動画配信プラットフォームの利用が必要です。初期費用とは別でプラットフォーム利用料が別途発生しますので、月額費用を考慮にいれる必要があります。
コストはかかりますが、その代わり、通常の動画で取得できないデータが計測できたり、エンゲージメントが付きやすかったりするのがインタラクティブ動画のメリットです。
インタラクティブ動画については以下の記事で基礎から解説しています。
動画制作の見積もりを正確に出してもらうために必要な情報
ここからは動画制作を制作会社に依頼する際により正確な見積もりを出してもらうために必要な情報を紹介します。
動画制作の見積もり変動要因として、一般的には大きく3つの観点があります。
①クリエイティブの種類
②動画の尺
③納期
これらの情報があってはじめて、概算見積が可能になります。詳細なお見積もりを作成するためには更に具体的な企画案を詰める必要があります。
動画の長さで費用は大きく変わる
長尺の動画を作ろうとすればするほど、制作費用は一般的に高額になります。
企画構成や素材作成、編集時間、エンコードにかかる工数、チェック体制…様々な項目がありますが、30秒の動画を作るときと、30分の動画を作るときで、工数が大きく変わるのはご理解いただけるかと思います。
一方、30秒の動画だからといって低額――それこそ数万円など――で制作できるかというと、別の話になります。同じ30秒でも、撮影するのか、素材編集なのか、キャストは起用するのか、ロケーションはどこなのか、どのような編集を行うのか…という、前項で取り上げたようなクリエイティブの内容によって金額は変動します。
制作のスケジュールに余裕が無いと、特急費用がかかる
納期が2週間後や1ヶ月後の場合、通常の見積もりより高額になるとご認識いただければと思います。
動画制作のスケジュールは通常2~3ヶ月ほどかかるのが一般的です。
- 企画
- 構成 コンテ作成
- 撮影
- 素材作成
- 編集
- MA
動画制作は上記のようなフローを通して行われますが、それぞれの工程でチェックが必要になります。特に企画構成は重要で、この部分で明確な合意がない場合、修正や手戻りが発生しがちです。
通常の進行より早めの納品を希望する場合は、それに応じた人件費や対応費用が発生します。
動画制作の見積もり細目を理解する
動画制作の見積もりが適正かどうかを判断するために、見積もりの内訳を理解することが重要です。
制作会社によって内訳の項目は異なりますが、大まかには以下のように分類できます。これらに照らし合わせることで、提示された見積もりの妥当性を測ることが可能です。
企画構成費 | 動画制作の構成や企画を制作するにあたっての費用です。 |
進行管理費 | 依頼から納品までの進行管理にかかるオペレーション費用です。 |
編集費 | 構成にそって動画編集やエフェクトをつけるにあたっての費用です。 |
撮影費 | 撮影を手配するための人員費用やロケーション費用です。 |
素材費 | 有料素材を購入したり、デザインを制作するにあたっての費用です。 |
ナレーション費 | 音声収録に関する費用です。秒数やアサイン人数によって変動します。 |
音響効果費 | BGMやSEにかかる費用です。 |
企画構成費
動画の企画を練り、絵コンテなどを制作するために必要な費用です。動画の全体のシナリオや表現のアイデアが固まっている場合は、ディスカウントできる場合もあります。
進行管理費
制作会社に依頼した場合、基本的にはディレクターが進行管理を行います。納期に対する進捗のリードや、関係スタッフとの連絡・コミュニケーションなど、ディレクターの存在は必要不可欠です。
編集費
素材を組み合わせて動画にする作業を編集といいます。テロップを入れたり、映像に効果をつけたり、その内容は多岐にわたります。
撮影費
カメラマンやキャストを起用して撮影する場合に必要な費用です。撮影費が見積もり項目に入っている場合、以下の項目をチェックしましょう。
- 所要時間は何時間と想定されているか
- ロケーション手配は誰が行うか、その費用は含まれているか
- キャストの手配は誰が行うか、その費用は含まれているか
- 撮影に使用する機材は、何が含まれているか
また、キャストを起用する場合は、動画の利用期限に定めがある場合があります。その点も必ず確認しましょう。
素材費
有料素材を購入したり、イラストを作成したりする場合に必要な費用です。どういった内容に対して発生するものかは事前に確認を行いましょう。
ナレーション費
ナレーションやセリフが必要な場合、収録が必要になります。男女が分かれる場合や演じ分けが必要な場合は、複数のナレーターを起用する必要があるため、ナレーター数も確認項目になります。
音響効果費
サウンドエフェクトや、BGMにかかる費用です。言うまでもないですが、著作権で保護されている音源を使用する場合は、手続きと支払いが別途発生しますので注意が必要です。
1~2分前後の動画を依頼する際の見積もり目安
会社紹介動画などで、キャストを起用せず撮影を行う動画という想定で、見積もりの目安を作成しました。撮影は4時間前後を想定しており、動画の長さは2分前後としています。
企画構成費 | 15万~ |
進行管理費 | 15万~ |
編集費 | 15万~ |
撮影費 | 10万~ |
素材費 | 10万~ |
ナレーション費 | 5万~ |
音響効果費 | 5万~ |
TOTAL | 75万~ |
あくまで想定見積もりなので、具体的な構成内容や企画によっては金額は大きく変動します。一つの目安にしていただければと思います。
具体的な見積もりがほしいときは参考動画を見つける
ここまで動画制作の見積もりについて解説してきましたが、「そんなに細かい想定はまだできていないし、動画をやるかどうかを判断するためにもざっくりとした見積もりが欲しい」という方のほうが多いのではないでしょうか。
その場合、おすすめの方法があります。参考動画を見つけて、「これと同じような内容で見積もりをください」ということです。
参考動画がある場合、制作会社にとっても同等のクオリティを実現するための工数や人員を想定しやすくなります。もちろん100%正確な見積もりにはなりませんが、確度の高い内容が提示されることが期待できます。
動画制作会社の多くは制作実績を公開していますので、そこから選ぶのがもっとも確実です。
また、動画は制作して終わりではありません。その動画をいかに効率よくターゲットとするユーザーに配信し、認知拡大やCVの獲得に繋げることを考えなければなりません。
YouTubeやFacebook、Instagramなど各SNSの広告掲載単価についてはこちらの記事で解説してますので、こちらもご覧ください。