公開日:2021年11月30日
今からでも間に合う?中小企業のDXの進め方
2021年9月にはデジタル庁が開設されたりと、近年、国が総力を挙げてDX(デジタルトランスフォーメション)を推進する動きが話題となっています。
しかし、テレビやニュースなどでDXの名前や概要程度なら知っているが、「一体何から取り組めばよいのか」、「必要なのは理解しているけど、今一歩踏み出すことができない」と考えている経営者様も多いようです。
その中でも今回は中小企業様にフォーカスを合わせてDXの進め方をお伝えしていきます。
そもそも「DXって何?」という言葉の意味自体が分からない方はこちらの記事でDXについて説明をしていますので、こちらからご覧ください。
https://videocloud.jp/topics/5250
中小企業こそDXを進めるべき
DXは大企業や先進企業が推進していくものだとお考えになっている方も多いのではないでしょうか。確かに、2020年に日本能率協会が全国主要企業の約5,000社に対して行った「DXの取組状況」調査によると、大企業が83.6%、中小企業が34.9%とDXに着手していることが分かり、現状では大企業の方がDX推進が進んでいます。
出典:日本能率協会「『日本企業の経営課題2020』 調査結果 【第2弾】 DX(デジタル・トランスフォーメーション)の取り組み状況」
しかし、中小企業の方が大企業に比べてDXを推進しやすい点が大きく2点あることをお伝えします。
まず、1点目が大企業に比べて組織体制やシステムが複雑ではないので、社内調整の労力やリソースが比較的小さく済むということです。
当然DXを進めていくには、全社一丸となってこれまで行ってきた業務体制を一から見直し、新たな技術を取り入れていく必要がありますので、従業員や部署が多くなる大企業ほど社内調整の労力やリソースは大きくなります。
2点目が大企業と比べてステークホルダーも大きくないので、再挑戦や計画変更がしやすいということです。
これまでの既存事業である程度現状維持ができているのに、わざわざうまくいくかどうかも分からない技術に投資して、DXを進める必要があるのかどうかと考える方もいらっしゃるでしょう。それが大企業となれば尚更うまくいかなかったときのインパクトは大きくなります。
そのため、中小企業の経営者が本気でDXを推し進めていけば、大企業よりも全社を挙げて取り組みやすく、変化する際のインパクトも小さく抑えることができます。
中小企業のDXの進め方
では、具体的に中小企業がDXを進めていくにはどうしたらよいのかを見ていきましょう。
-DX推進ステップ
①経営者自身がDXを理解し、DXを推進する覚悟を持つ
②自社のありたい姿・ゴールを決める
③自社の現状を把握し、課題を明確化する
④PDCAを回す
①経営者自身がDXを理解し、DXを推進する覚悟を持つ
まず、一番はじめに行うこととして当然DXという言葉自体を理解する必要がございます。現代において生活様式のあらゆるところに浸透しているデジタル技術ですが、単なるデジタル化とDXはどう違うのかをしっかりと認識しましょう。
また、ここで一番大切なことをお伝えしますと、DXを推進するリーダーは必ず経営者自身であり、DXを推進する覚悟を持つということです。ここでいう覚悟を持つということは具体的にいうと、「ビジネスモデルを変える」ということです。
これまで築き上げたシステムを変える事になるわけですから、先代社長や古参社員、取引先からも反対の声が上がる可能性もあります。そのため、経営者自身が積極的にDX推進に関与しないとうまくDX化は進まないでしょう。
②自社のありたい姿・ゴールを決める
次に自社の目標・ビジョンを決めましょう。DXを通じて会社がどうありたいのかというビジョンを明確にしないことには何がゴールなのか、そもそもDX推進が成功したかどうかを判断することができません。
中小企業がDXを推進していく上で上手くいかないパターンとして、いつの間にか「デジタル化」をすることで満足してしまうことです。
単純に業務のデジタル化を進めても短期的には業務改善の効果を実感できると思います。しかし、デジタル化を進めた結果から得られるデータをもとに次の施策を考えたり、他の業務との連動性が取れなければ部分的な効果に留まってしまい、会社全体での効果は得られにくいです。
また、DXにおいて目標を決める際は「対顧客」を意識することが必要となります。企業が衰退するのは、競合に負けたからではなく、顧客を失うからです。会社として、株主を満足させることや利益を追求することも大切ですが、長期ビジョンとしては顧客満足をゴールとすることが重要です。更には、その結果が自社だけにとどまらず、業界や社会全体に影響を与えるような効果があれば理想的です。
③自社の現状を把握し、課題を明確化する
自社のありたい姿・ゴールが決まったら、自社の現状と課題を把握しましょう。現状を把握するには、今の自社の業務プロセスや顧客接点のデジタル化がどこまでできているかをチェックするのが良いです。
自社の状況を整理するには経済産業省が作成した「DX推進指標」という自社評価診断ツールを使用するのが良いでしょう。企業が直面している課題や押さえるべき事項がまとまっているので、自ずと自社の課題が見えてくると思います。
④PDCAを回す
いよいよ課題が明確になったらPDCAを回していきましょう。課題解決へ向け計画を立て、実行し、それを評価し、また新たな計画を立てるを繰り返していきます。とりわけDX推進は「定期的な評価」を行うことと「小さな成功体験」を積み重ねることが重要です。評価に関しては少しでも前向きな評価をすることがポイントです。もともとマイナス100の状態だったものがマイナス80になった時に「まだ80ポイントもマイナスか」ではなく、「20ポイントも改善した。」といった具合にです。
DXは会社全体の業務プロセスや組織体制に変革をもたらすような大掛かりなものになるため、すぐにプラスの効果が表れず、良い方向へ前進しているか分かりづらいかもしれません。
そのため、一つひとつの細かなプロジェクト単位で定期的に評価し、前向きな評価をしていけば、モチベーション維持にもつながります。
複数のプロジェクトの部分最適を考慮しながら、最終的には全社最適化を目指していきましょう。
また、中小企業のDX化には補助金があります。条件が合えば積極的に利用することもご検討ください。
まとめ
今回は中小企業のDXの進め方についてお話してきました。全然まだDXに取り組んでいないという経営者様も今から取り組んでいけばまだまだ間に合います。
とはいえ経営者自身が率先してDXを推進しましょうとはいっても大変だと思いますので、当社では企業の経営者様に寄り添ったDXコンサルティング業も行っています。是非当サービスのご利用もあわせてご検討ください。