公開日:2019年10月31日
採用も動画マーケティングの時代!中小企業こそ動画を活用して理想の人材を獲得しよう
厚生労働省が2017年8月に発表した有効求人倍率は1.48倍に達し、ニュースになったことは記憶に新しいでしょう。
これはバブル期の最高値である1.46倍を超える数値であり、少子化などに伴い、若い働き手の確保が難しくなっている現状をあらわにしています。
そのような現状もあり、近年では企業側が動画による積極的なマーケティング発想の採用に乗り出してきました。
ここでは、動画を活用した企業の採用事情について解説します。
採用戦略にファネルを応用
マーケティング分析においてはファネルがよく使われますが、この考え方を採用フローにも応用する企業が増えています。
ファネルとはターゲットが商品を認知してから理解や検討プロセスを経て、購買に至るまでの流れをじょうご型の図式に表したものです。
これを採用の各フェーズに当てはめると、一番上部が企業認知、次いで企業理解、そして動機形成から入社へと至る図式で表すことができます。
このように整理することで、それぞれのフェーズで企業側が成すべき採用フローの行動が明確になり、施策と役割を整理することができます。
各種コンテンツで訴求すべきメッセージを設計するためにも有効ですが、動画広告が一番威力を発揮するのは、最初の企業認知フェーズです。
特に内定者数確保が課題となる中小企業の場合、母集団の幅を広げる施策が必要ですが、そこに動画広告が活用されるというわけです。
採用を目的とした動画広告配信の5つのメリット
採用活動においては、従来から広く企業認知を高める手段は行われてきました。
例えば、就職イベントもそうですし、人材紹介会社を通じて行う企業アピールなども実施されています。
インターネットが普及してからは、企業サイトで興味を惹く仕掛けを数々行ってきましたし、まずは知ってもらう、興味を持ってもらうという流れが一般的でした。
ただ冒頭でも触れた通り採用市場競争の激化が進むと、非常に有名な大手企業でもない限り、従来の手法では母集団を形成することさえ難しくなっているのが現状です。
そこで企業が取り組み始めたのが、学生や求職者に対する動画広告配信です。
採用目的で動画広告を配信するメリットは、5つあります。
1.母集団を形成しやすい
中小企業が認知を獲得するためには、有名企業の影にかすむナビサイトなどでは難しいのが現実です。
動画広告配信は、まず企業の存在を認知してもらい、興味を持ってもらうという意味で非常に高い効果を持っています。
もちろんそのまま自社サイトにアクセスしてくれれば最高ですが、そこまでではなくても認知を獲得できるだけで大きな成果となります。
例えば、ダイレクトリクルーティングなどでスカウトした際にも、レスポンス率の向上につながるでしょう。
2.転職潜在層へもアピールしやすい
動画広告を視聴することで、転職潜在層に企業の存在を知らせることができます。
転職顕在層はすでに能動的にサイトチェックを始めていますが、動画広告はまだ顕在化していない層の心理にアピールできるのが強みです。
いざというタイミングですでに認知されていることはアドバンテージにつながりますし、新卒採用においても記憶に残すことができるでしょう。
検討対象企業として意識に上ることが重要なメリットです。
3.ターゲット世代にアプローチしやすい
動画コンテンツを視聴する主な年代は、20~30代です。
特に20代におけるYouTubeなどの動画サービス利用率は90%を超え、30代でも80%を超えます。
つまり配信した企業動画を目にするのは、まさに企業が求めている20〜30代のターゲット層です。
採用にあたって一番アプローチしたい相手にアプローチできる手段が、動画という形のコミュニケーションだと言えます。
4.マーケティング分析しやすい
採用動画の配信はオンライン広告の配信とまったく同じですので、ターゲティングやマーケティング分析がしやすいのがメリットです。
求める人材層に配信することも可能ですし、企業サイトや採用サイトにタグを埋め込んでおけば、リマーケティングも可能です。
少しでも自社に興味を持っている人材にリマインドすることで、意思を後押しすることができます。
5.企業ブランディングしやすい
採用に限ったことではありませんが、動画広告はブランディングに非常に有効に働きます。
好感度を上げ、良いイメージを持ってもらうことで、この企業で働きたいという共感を生むことができるでしょう。
各フェーズで有効な動画とは
それでは具体的に、採用の各フェーズにおいて有効となる動画広告についてまとめてみましょう。
1.企業認知~企業理解
このフェーズで見せる動画の目的は、理解促進です。
どんな企業なのか、社員はどんな人なのかを知らしめるために、職場の雰囲気や社員インタビューなどを織り交ぜて企業の姿を見せる動画が主流です。
その企業ならではの魅力ややりがいを訴求する必要があります。
2.動機形成
このフェーズで見せる動画の目的は、就職意欲の形成です。
就職説明会などでインパクトのあるオープニング動画を流したり、企業のビジョンや社歴などをまとめた動画を活用したりすることが多いですが、基本的にはそれと同じものです。
社長の言葉で企業の魅力や事業内容を伝えるために、収録したインタビュー動画を流すのも常とう手段です。
これで入社の意思を決定させるつもりで動画制作に臨みましょう。
成功する採用動画広告とは
採用目的とは言え広告である以上、伝えるべきメッセージを明確に、印象的に魅せる必要があることは言うまでもありません。
自社サイトに掲載する動画とは異なり、よりコンセプトを練りこんでメッセージ性を強める意識が必要です。
長尺にならずインパクトのある印象深い広告に仕上げるためには、あれこれ盛り込みすぎて焦点がぼけることのないよう、なるべくポイントを絞ることが重要です。
また、説得力を持たせるために実際の社員を起用して信頼感を高める工夫や、感動できるストーリーで世界観を作り上げる工夫なども必要でしょう。
近年は短編アニメーションでドラマ仕立てにするなどのアイディアもありますが、伝えたいことが明確であれば表現は自由です。
どうしても長尺になる場合は、離脱率を抑えるためにダイジェスト版や予告編(ティザー)を別に編集し、本編を自社サイトに掲載するといった工夫もあります。
まとめ
採用動画は成功すれば、採用サイトへの流入率を前年比の2倍以上に倍増させる効果もあります。
従来の採用活動だけでは成果が得られない場合、新しい手法を活用することで抜本的な改革を実施する姿勢も必要でしょう。
採用はまさにマーケティングです。
今後も厳しい採用状況が予想されますので、中小企業こそ採用にマーケティング視点を取り入れ、戦略的な採用活動を進めてください。
採用動画の効果的な制作方法やメリットについては「採用動画がもたらす4つの効果と制作のポイントを解説」をご覧ください。