採用動画がもたらす4つの効果と制作のポイントを解説

近年では、新卒・中途採用問わず、採用活動において採用動画を活用する企業が増えてきました。求職者にとっては入社する前に、職場の雰囲気やどんな人が働いている会社なのかということを知っておきたいというのは当然の心理といえるでしょう。
今回は採用動画が具体的にどのような効果をもたらすのか、採用動画の種類や活用シーン、また採用動画の制作や活用する上での大事なポイントなどを解説していきます。
この記事の目次
採用動画とは
採用動画とは、企業の経営理念や仕事内容、職場の様子、魅力などを動画にまとめたものです。企業は求職者が採用動画の視聴により、自社への理解を深め、会社説明会や選考へエントリーしてもらうことを期待しています。
従来の採用活動では紙ベースの資料を使って自社の説明を説明していました。
しかし、実際どのような仕事をやるのか、職場の雰囲気などは温度感をもって説明しづらいものがありました。
ただ、採用動画であれば仕事内容も職場の雰囲気も実際の一連を感覚的に見せることができます。
株式会社Candeeが採用成功企業に行った調査では、採用活動において動画を取り入れてる企業が約6割であることが分かっています。※
※参照元:株式会社Candee「採用成功企業の動画活用の実態調査」
採用動画がもたらす4つの効果
それでは、採用動画は具体的にどのような効果をもたらすのかを見ていきます。
主な効果は4つです。
①志望度・理解度の向上
まずは志望度・理解度の向上です。
採用を成功させるには母集団形成を行わなければなりませんが、この母集団形成が採用活動の一番難しい課題です。
母集団形成には求職者に自社のことをしっかりと理解してもらうことが大切です。
求職者が就職先、転職先に求めていることに対し共感できるような動画を制作すれば、自社に対する理解度や志望度の向上が見込めます。
実際に弊社が過去応募者に行った調査では、採用動画の視聴後、志望度が向上したという人が8割以上もいたことが分かりました。
「応募者の8割以上が志望度上昇!採用動画に関するアンケートを実施」
②イメージ向上
企業イメージの向上にも効果が見込めます。
採用動画には求職者に自社がどれだけ良い会社なのか、長所やアピールポイントがまとまっています。企業の経営理念やこれまでの実績、働いている従業員、社会活動など企業の魅力をしっかりとアピールすることで、より優秀な人材の獲得にもつながります。
③ミスマッチの防止
ミスマッチによる早期離職は決して少なくありません。時間やコストなど労力をかけて採用したとしても、「思っていたイメージと違う」という理由で早期離職されてしまうケースも多々あります。
しかし、動画であれば、従来説明しづらかった実際の仕事のやり方や一日の動きなども一連の流れで分かり、働いている人の表情や様子も生の声つきで分かります。
採用動画を見れば、入社後にイメージが違ったというミスマッチは防げるでしょう。
また、逆に現場のリアルな様子を見せることで、「こういう仕事がしたかった」「このような雰囲気で働きたい」、「こんなオフィスで働きたい」といった求職志望者が増えるかもしれません。
④採用業務の効率化
採用動画の活用は求職者側だけでなく、採用する企業側にもメリットがあります。
これまでの採用活動の会社説明の方法としては、採用担当者が求職者一人ひとり個別で対応したり、会場を用意して説明会を開催していました。
このやり方では説明会に割く時間もコストも開催される度にかかってしまうというデメリットがありました。
会場をおさえる費用や資料の印刷代、交通費など諸々かかりますし、何より担当者が業務に追われ、説明会資料作成の準備にリソースが割けないという問題がありました。
しかし、採用動画であれば、初期制作費用はかかるものの、一度作成さえすれば何度でも活用することができます。また、動画であれはオンラインでも視聴が可能となるため、会場費や印刷代も不要となります。
さらに、毎度資料の準備を行う必要もなくなるため、工数も大幅に削減できるようになります。
実際当社の採用活動でも動画を取り入れたことで大きく生産性が上がりました。
こちらについて詳しく知りたい方は下記の記事を見てください。
「【実例つき】採用動画で面接時間が60時間も削減!採用動画がもたらす有効性とは?」
採用動画の種類

次に採用動画の種類について紹介していきます。
①ブランディング動画
ブランディング動画とは、企業のブランドイメージや商品・サービスのコンセプトや世界観を伝える動画です。
音楽や風景、人物を駆使し、ブランド「らしさ」を直感的に求職者に訴えます。
採用活動におけるブランディング動画の目的は「企業」と「求職者」をつなぐこと。
すなわち認知度の向上です。求職者の印象に残るブランディング動画は企業の信頼度や将来性を伝えることができるため、求職者の志望度を高めることもできるでしょう。
②インタビュー動画
実際に企業で働く社員や企業の社長が直接インタビューに応じる様子を組み込んだ動画も採用動画の1つです。
実際に「どのような仕事をしているのか」「仕事のやりがいは何か」「実際の社内の雰囲気はどうなのか」など実際入社してからではないと分からない情報や現場の社員だからこそ言える情報を答えることで、求職者が入社した後のイメージがしやすくなり、安心感を与えられます。
③会社説明動画
会社説明動画は文字通り、企業理念や沿革、主な実績、求人の募集要項など会社の情報を総合的に説明します。
最も採用活動で使われている形式の採用動画です。
ブランディング動画やインタビュー動画に比べて、より具体的に求職者が求めている情報を一つ一つ順番に説明しています。
また、「実際の選考中によく聞かれる質問」や「企業がどのような人物像を求めているのか」などを動画内に組み込んでおくのも効果的です。
求職者目線でいうと、選考前に事前に動画を見て解消できる内容であれば、面接中に質問する必要もなくなりますし、企業が求める人物像が分かっていればその人物像に対して自分が何ができるのかアピールすることができます。
企業者目線でいうと、自社の説明工数が減り、その分より求職者自身についてヒアリングをする時間が作れます。
会社説明動画は実際の選考活動を円滑に進めるための大きなサポートツールです。選考フローの最初に組み込むことをおすすめします。
採用動画の導入企業が増えている背景
採用動画の導入企業が増えている背景としては、どこの企業も人材不足ということが挙げられます。
厚労省の最新データによると有効求人倍率は1.35倍(2022年11月29日時点)でした。※
ここ数年はずっと有効求人倍率が1倍以上と売り手市場が続いています。
また、昨今の感染症の影響もあり、採用活動のリモート化が進んだのも理由の一つに挙げられます。
※参照元:厚生労働省「一般職業紹介状況(令和4年10月分)について」
採用動画を作るタイミング
それでは採用動画はどのタイミングで制作を進めていくべきでしょうか。
ベストとしては新卒の情報解禁に向けて作るのが良いでしょう。
以前「就活ルール」の廃止が発表されたことが話題になりましたが、2024年卒の広報解禁日に関しても現行日程である3月解禁が踏襲されます。
そのため、新卒採用を行う企業に関しては3月に間に合うように制作しましょう。
一方、中途採用は通年行っています。
ブランディング動画であれば通年活用できるコンテンツなので、いつ動画を制作しても問題ありません。
重要なのはその時々の必要な人材に合わせて動画を制作するということです。
新卒向けと中途向け、エンジニア向けやセールス向けなど、獲得したい人材によって、伝えたいメッセージは変わるので、採用動画を作るタイミングできちんと採用したい人物のペルソナを設計しましょう。
採用動画の掲載場所3選
①企業の採用ページ
コーポレートサイトに加えて、採用向けの専用サイトを設けている企業が増えています。
採用ページに訪問しているユーザーが対象となるため、既に自社への関心が一定以上あると思われますが、更に自社への理解を深めてもらうために採用動画を設置しておくことは効果的です。
採用サイト上にある募集要項の文面だけでは伝えきれない情報を補うことができます。
②新卒エントリーサイトや求人サイト
外部の求人サイトの企業ページでは動画の掲載が可能なところも増えています。
文章や画像に加えて、動画を掲載すれば、他社との差別化もでき、わかりやすく伝わります。
一定以上の関心のある人材が閲覧する企業の採用ページと比べて、外部の求人サイトの方がより多くの求職者に見てもらえる可能性が高いです。
③企業の公式SNS
企業の公式SNSを作成し、企業の情報や採用情報などとともに動画をアップしていくことも有効です。
SNSは拡散効果もあるので、インパクトのある動画や気になる動画があれば、就活生の間でシェアしてもらうこともでき、企業に興味を持ってくれる人を増やすことが可能です。
一昔前は就職活動は求人媒体から求人情報を探したり、エージェントを介して情報を得ることが大半でしたが、今はSNSを活用して情報を手に入れる求職者も多くなっています。
採用動画の活用事例
星野リゾート
引用:星野リゾート
一人の女性社員の一日の仕事に密着したドキュメンタリー風に仕立てた動画です。
この動画の特徴としては字幕やテロップはほぼ加えられていません。空撮を駆使して、秋の色づく京都の風景とともに星野リゾートが提供する質の高いサービスの世界観を伝えています。
特に観光・宿泊業も規制緩和により有効求人数が増加傾向にあるため、その中から自社を選んでもらうためには、より自社の魅力を伝える採用動画の活用は効果的といえます。
サイボウズ
引用:サイボウズ
こちらは就職先、転職先の候補としてサイボウズを入れている全ての求職者に向けた会社説明動画です。
スライドと共に会社の理念や組織文化、事業内容、給与や評価制度などの総合的な情報を説明しています。基本的なことはこの動画を視聴することで得ることができます。
求職者は選考を受ける前に視聴しておくことで、選考の際に追加で質問したい内容もおさえることができます。
また、企業側にとっても担当者のレベルによって説明内容に差が出なくなり、直接求職者に口頭で説明する必要もなくなります。工数削減という面でもメリットがあります。
ヤフー
引用:ヤフー
ヤフーのオフィス紹介動画です。実際にオフィス内を歩く目線で撮影しているので、オフィスの広さも体感できます。また、執務エリアに関しても「フリーアドレス」、「チーム専用」、「個別集中スペース」など多様なコンセプトがあり、その日自分が働きたいスタイルに合わせて執務スペースを選択できます。
このような空間で働きたいと考えている求職者に対しては、選考へのエントリーや内定承諾への一つ後押しとなるかもしれません。
採用動画の料金相場
採用動画の制作費用は動画の尺や動画の撮影手法によって変動します。制作会社の多くは制作内容によりいくつかプランを設けています。
一般的には安いプランで30万円〜50万円、標準のプランで50万円〜100万円、クオリティの高いプランで100万円〜200万が相場です。
また、採用動画は基本的に人物のインタビューや仕事風景を映像化することが多いので、実写になることが大半です。そのため、決して制作費用は安くありません。
採用動画の制作はきちんと制作目的と内容を検討してから見積もりを取り、予算を決めましょう。
採用動画の制作コストを抑えるポイント
採用動画の活用は効果的だということを説明してきましたが、制作するにしてもそれぞれ予算があると思います。
ここからは制作コストを安く抑えるポイントをいくつか解説します。
動画の尺を短くする
動画は尺が長くなればなるほどその分、撮影・編集期間が長くなり費用がかさみます。
長い動画は多くの情報を伝えることができますが、視聴者側としては長くなるほど視聴するのに疲れ、途中で飽きてしまい視聴を止めてしまう可能性が高くなります。
伝えたい内容を簡潔にまとめ、動画の尺を短くしましょう。
撮影期間の短縮
撮影にはカメラマン以外にもモデル、スタイリスト、ヘアメイク、照明、ディレクターなど多くのスタッフが関わり、機材費や人件費がかかります。
加えて、撮影ロケーションによっては場所を借りるための費用もかかります。
予算を少しでも抑えるには、関わるスタッフのスケジュールを無駄なく効率的に調整し、撮影期間を短くしましょう。
また、なるべく移動時間を生まないように撮影場所を1ヶ所に絞って、撮影期間の短縮を図ることがコツです。
ただし、撮影期間を短くしたいからといって、無理なスケジュール組みはしないようにしましょう。
余裕がないスケジュールだとかえって良い撮影ができない場合があります。
自社スタッフのキャスティング
クオリティの高い動画にするためにプロの演者を起用することは効果的ですが、出演料が発生します。出演者に自社スタッフを活用すれば、出演料は不要となる上、動画コンセプトのイメージに合う演者を探すという手間暇も削れます。
ただし、自社スタッフをキャスティングする場合は注意点があります。
もし、仮に出演スタッフが退職してしまった場合、後からトラブルにならないようきちんと
取り決めを決めておきましょう。
制作の内製化
制作会社やフリーランスなど外部に依頼すれば、費用は大きくかかりますが、今では多くの動画編集ソフトがあるため知識や技術さえあれば、自分で動画を制作することが可能です。
動画制作を内製化すれば大きくコストを抑えられます。
しかし、撮影から編集まで全て内製化できれば良いですが、質の高い動画制作には相応のスキルが求められます。
そのため、制作工程の一部を内製化し、費用を抑えることも可能です。
例えば、撮影は外注し、動画編集は自社で行うといった事例がわかりやすいでしょう。
しかし、高品質なクオリティを求めるのであれば、ディレクション(企画)の段階からプロに依頼することをおすすめします。
採用動画制作を成功させるポイント

採用動画の制作を成功させるにはどのような点を抑えておけば良いか、ポイントをいくつか紹介します。
項目ごとの明確化
採用動画は項目ごとに伝えたい内容も変わるため、制作前にどのように活用していきたいかを明確化させることは必須です。
新卒向けか中途向けかでも伝えたい内容は全然違うため、同じ動画は使えません。
会社のことを知っている人か、まだ知らない人に向けて発信するのかでも内容は変わります。
また、募集している職種によってもターゲットは変わってくるでしょう。
そのため、採用動画は採用したい人物像に合わせてそれぞれ動画を制作しなければなりません。
適切な発信先の選択
動画を発信できる場は多様にあります。SNSをとってもYouTubeやTwitterでも利用層は違いますし、メディアの特性も違います。また、広告掲載する場合は出稿の規定もそれぞれ違うため、それぞれに合わせた内容や長さの動画を作りましょう。
採用活動全体に組み込む
作成した採用動画を自社サイトや求人サイトに掲載してただ見てもらうことを待つだけではなく、会社説明会や面接といった実際の採用選考フローの中にも採用動画を見てもらう機会を組み込むことも大事です。
採用動画には志望者に対し、自社への理解をより向上させる効果があり、内定承諾率のアップも期待できます。
また、会社説明を動画で行えば、求職者一人に対する対応リソースも大幅に削減できるため、その浮いた時間で今まで以上に多くの志望者と接触する機会を設けることができます。
より優秀な人材との出会いが多くなるかもしれません。
まとめ
採用動画は採用活動を行う企業にとって、求職者に自社の魅力を伝えるツールとして非常に有用であることが分かりました。
とはいってもこれまで動画の制作なんてしたことがなく、ハードルが高いという方もいらっしゃるかと思います。
Videoクラウドではこれまでに数多くの企業様の採用動画を制作してきました。
採用動画の制作をご検討の方はお気軽にVideoクラウドまでお問い合わせ下さい。