マニュアル動画で業務効率化を実現|メリットや活用方法、制作のポイントを紹介

マニュアルや取扱説明書といえば、印刷された冊子やPDFといった形式が一般的でした。しかし、DX(デジタルトランスフォーメーション)の普及にともない、「マニュアル動画」という新しいフォーマットを採用する企業が増えてきています。
紙のマニュアルとの最大の違いは、動きを表現できること。
動画ならではの強みを活かして、紙よりも分かりやすいマニュアルを作ることが可能です。
動画制作となると難しい、お金がかかるのでは…と敬遠されがちですが、ポイントを抑えることで自力でマニュアル動画を制作することも可能です。
この記事では、マニュアル動画の特徴やメリット、制作フローについてご紹介します。
マニュアル動画の特徴
文字情報だけではなく映像や音声があるので、ハードルが低い
文章を読む平均的なスピードは、1分あたり400~500文字程度と言われています※1。
分厚い紙のマニュアルを手渡されて、「これを読んで内容を理解しておいて」と言われる…という経験は誰しもにあるかと思いますが、「読むのに何時間かかるんだろう」と辟易した経験もあるのではないでしょうか。
マニュアル動画は、映像+音声+テキストによって構成されています。映像と音声を聞くだけで概念理解が可能なため、文章や写真主体のマニュアルに比べて、気軽に学習に取り組めます。
文章を読むスピードは人によって異なりますが、マニュアル動画であれば再生時間は決まっているため、所要時間の短縮・一般化にも繋がります。
※1 参考 「速読の理論 あなたの読書スピードと、日本人平均値の関係」SP速読学院
動画なので、動きや手順が分かりやすい
紙媒体のマニュアルの最大のデメリットは、動きを表現できないことにあります。作業手順や複雑な行動、短い時間で様々なアクションを必要とするコンテンツにおいて、紙媒体のマニュアルは最適とは言えません。
動画マニュアルであれば、実際の作業手順を映像化し、見せることが可能です。映像にあわせて自分でも作業を行うことで、複雑な工程でもスムーズに習得することができます。
スマートフォンで閲覧できる
マニュアル動画の利点は、様々なデバイスで閲覧できるという点にもあります。パソコンに限らず、スマートフォンやタブレットでの視聴が可能です。
タブレットやスマートフォンで閲覧できるということは、見る場所を選ばないということ。通勤中の電車の中や、自宅での閲覧も可能です。
マニュアル動画の制作パターン
マニュアル動画は大きく分けて2つのパターンに分類できます。
手順を撮影した動画
画面や作業を撮影し、ナレーションやテロップで解説するパターンのマニュアル動画です。
人が解説する動画
映像にあわせて解説するというスタイルは同じですが、ナレーターではなく、実在の人物が解説を行うスタイルです。
テレビ番組や講義のようなイメージで視聴ができるフォーマットです。
マニュアル動画の活用シーン
マニュアル動画は、紙のマニュアルを動画化する以外にも様々な活用方法が考えられます。
既存のマニュアルを動画にして展開するだけではなく、マーケティングツールの一環として活用したり、カスタマーサクセスで活用したりと、幅広い活用が可能です。
マーケティングや営業活動での利用
マニュアル動画では、サービスやシステム、ツールの利用方法が解説されているため、機能や特徴の理解の促進にも効果があります。
商談時に「こういう使い方が出来るか」「こういうシーンではどう使えるのか」という質問を受けることは多々ありますが、マニュアル動画を見せることでユーザーの疑問や課題を解消する手助けになります。
また、マニュアル動画が充実していることがわかれば、カスタマーサポートに力を入れているという意識付けも出来るため、マーケティングを有利に進めることが可能です。
カスタマーサクセスでの利用
ユーザーから受ける「よくある質問」をまとめている企業は多くありますが、ここでもマニュアル動画は活用できます。
操作手順や活用方法をマニュアル動画にして提供することは、カスタマーサポートへの問い合わせ数を減らすことに繋がります。
FAQをまとめたウェブページにマニュアル動画を掲載している企業も増えています。
社内研修での利用
社員への研修リソースが膨大となり、頭を抱えている人事・営業企画の方は、ぜひマニュアル動画をご検討ください。
教育コンテンツとしてマニュアル動画を制作することで、対面での教育時間を削減することが可能です。また、分からない点が出てきた際も繰り返し閲覧することが出来るため、理解度の向上にも繋がります。
弊社でも、社員研修を動画化することで研修工数を大幅に削減することに成功しています。詳しくは「研修動画の効果とは?社内研修の生産性を上げた当社事例を紹介」をご覧ください。
マニュアル動画制作時に注意するポイント
多くのメリットがあるマニュアル動画ですが、やみくもに制作するのはオススメしません。制作にも工数がかかりますし、外注するのであればコストが発生します。
工数に見合う効果を期待するのであれば、制作内容を入念に検討することが必要です。
具体的に3つのポイントを取り上げます。
音声が再生できない環境を想定する
様々なデバイス・環境で視聴できるので、音声を聞くことができない環境を想定してマニュアル動画を制作しましょう。
音声にあわせてテキスト(テロップ)を挿入することが解決方法になります。
映像にする部分と文字・音声で伝える部分を切り分ける
全てを映像にしようとすると、映像の時間が長くなりがちです。文字情報や図表で解説できる部分がある場合は、組み合わせて構成することを検討すべきです。
製品の導入手順を説明するのであれば、フローを図に起こして提示することが有用です。言葉で説明するよりも、フローチャートを明示するほうが、視覚的に理解を促すことができます。
マニュアルにするテーマを細分化する
一つの動画で1から10まで説明する必要はありません。ユーザーが求めていることは、限定的です。テーマを細分化し、短い時間で端的に伝える動画を目指しましょう。
テーマを分けることで、ユーザーニーズに合わせて適切なマニュアル動画を提供することが出来るようになります。また、編集工数も少なくなるため、リリースのスパンが短くなります。
マニュアル動画を更に活用するための方法
マニュアル動画は作って終わりではありません。ユーザーに使ってもらってはじめて効果が生まれるコンテンツです。そのため、「どう使ってもらうのか」「使ってみた効果はどうだったのか」を検討する必要があります。
マニュアル動画単体では効果検証ができない
マニュアル動画に限ったことではありませんが、その動画を見て、実際に疑問が解決できたのか、あるいは理解度が上がったのか、ということは検証が難しいのが現実です。
視聴率、再生時間といったデータを計測することで大まかな分析はできますが、実際にユーザーのためになったのかはアンケート調査などが必要になります。
インタラクティブ動画なら、より詳細なデータを取得可能
インタラクティブ動画とは、動画内をタップできるようにすることで、ユーザーの見たいコンテンツを選択したり、フォームに回答してもらったりすることが出来る、新しい動画のフォーマットです。
例えば、動画内に「この説明で理解できましたか?」といった設問を行い、「はい」であれば疑問解消、「いいえ」であれば更に細かい説明を促すコンテンツを表示する、という導線設計を、1つの動画で行うことができます。
インタラクティブ動画以外でこうした導線を実現するためには、ウェブページでの設計や配信プラットフォームの構築が必要になりますが、1本の動画で気軽に検証ができるのがインタラクティブ動画のメリットです。
ユーザーがどういった選択肢をタップしているのかというデータが収集できるため、制作したマニュアル動画の効果検証を行い、動画自体を改修したり、不足しているコンテンツを制作したりと、PDCAを回すことが出来るようになります。
弊社でもインタラクティブ動画を活用してコンプライアンス研修を行い、工数を削減&研修の改善を行っています。詳しいデータは以下の資料でご紹介していますので、気になる方はぜひダウンロードしてみてください。