公開日:2023年02月24日
Google「マイアドセンター」の使い方|広告表示を自分でカスタム
日頃検索エンジンやウェブサイトから情報収集を行う中で頻繁に見かけるインターネット広告。自分が興味のある内容のものであれば便利だと感じる一方で、自身に興味のない広告が頻繁に表示されると煩わしさを感じるものです。
そんな時に便利なツールがGoogleのマイアドセンターというツールです。こちらを活用すればGoogle検索やYouTubeで表示される広告を自分好みにカスタマイズすることができます。
そこで今回はマイアドセンターについての使い方を解説していきます。
そもそもマイアドセンターとは?
マイアドセンターとはGoogleのサイトや関連アプリ内での広告体験をユーザー自身で自由に管理できるツールです。自分が好きな企業やサービス、興味のあるトピックに関しては広告の表示を増やし、逆に興味の無いトピックに関しては広告の表示をしないといった管理が行えます。
2022年10月にGoogleはマイアドセンターの実装を行いました。
マイアドセンター導入の背景
Googleがマイアドセンターを導入した背景の一つに広告の透明性向上が挙げられます。
昨今、企業が広告活動で個人情報を扱うことをプライバシーの観点から問題であると取り上げられることが増加しています。
Googleが2022年にボストン・コンサルティング・グループに委託した「オンライン広告ユーザー意識調査」の結果では、回答者の81%が自身の個人情報に企業がアクセスすることに「不安」と答えたことが分かっています。
デジタル体験に関するユーザーの信頼度が低下していると判断したGoogleはマイアドセンターの導入に踏み切りました。
また、2024年にはGoogleChromeでもサードパーティーCookieが廃止されますが、それを見据えた施策の一環とも回答しています。
マイアドセンターの開き方
それでは実際にマイアドセンターの開き方についての手順を紹介します。
前提としてGoogleアカウントにログインしている必要がありますのでご注意ください。
マイアドセンターへアクセスするには、表示された広告からアクセスする方法とGoogleアカウントの管理設定からアクセスする方法の2種類があります。
表示された広告からアクセスする場合
表示された広告の「︙」をクリックし、マイアドセンターを選択
Googleアカウントの管理設定からアクセスする場合
①GoogleChrome右上のプロフィールアイコンを選択
②「Googleアカウントを管理」を選択
③左メニューバーから「データとプライバシー」を選択
④画面下部までスクロールし、「パーソナライズド広告」欄にある「マイアドセンター」を選択
※普段Googleアカウントにログインしている状態でGoogleを利用していないと広告表示に関するデータが蓄積されていないため利用できません。
マイアドセンターでできること
ここからはマイアドセンターでできることを解説していきます。
Googleサービスにおける広告表示のカスタマイズ
冒頭でも述べておりますが、マイアドセンターではGoogleサービスにおける広告体験を管理できるようになります。
管理できる主な広告対象は以下になります。
- Google検索広告
- YouTube広告
- Google Discover広告
対象範囲が非常に広いため、広告表示のパーソナライズ化を行えば、ユーザーは日常の多くのシーンで広告体験が向上するでしょう。
ユーザーデータを反映させたくない場合はパーソナライズド化をオフにすることもできますが、これは広告表示自体をオフにできるものではないので注意しましょう。オフにしても広告表示はされます。オフにすることでかえって自分に関心のない広告の表示が増える可能性もあります。
ユーザー属性の変更が可能
GoogleはユーザーのGoogleアカウントから、性別や年齢、家族構成、所属地域とユーザーの属性データを取得します。マイアドセンターが実装される前までは一度Google側に属性を認識されてしまうと、後から属性の変更を行うことは難しかったのですが、マイアドセンターの実装により、ユーザー自身で自分の属性を変更することが可能となりました。
変更可能な属性項目は以下になります。
・年齢
・性別
・言語
・家族構成
・世帯収入
・学歴
・持ち家
・就業状況
・企業規模
・興味/趣向 など
実際にユーザーが変更を行うと「確認済み」という緑色のラベルが貼られます。
これにより、ユーザーとしては正確な情報をGoogleに伝えることができますし、Google側としても適切な情報からユーザーに適した広告を発信することが可能となります。
広告主の確認ができる
従来の広告でもクリエイティブに企業名やブランドロゴが掲載されていれば、どの企業が広告を発信しているのかは分かりましたが、明記されていない広告に関しては広告主を知ることは難しかったです。
しかし、マイアドセンターの実装によって、ユーザーはこの広告はどの企業が発信したものなのか把握することができるようになりました。
ただし、全ての広告の広告主が分かるわけではなく、Googleが身元を確認している特定の広告主の広告のみが分かります。
確認方法はマイアドセンター内の「この広告主について」欄にある「他の広告を表示」をクリックすれば確認できます。
これはビジネスシーンでの活用にも期待が持てます。
この機能を活用すればこの企業が直近30日以内でどのような広告を発信しているのかが一通りわかるようになります。競合調査が行いやすくなるため、他社が出している広告との差別化をする広告戦略を立てることにも役立てることができるでしょう。
今後広告主側に求められること
マイアドセンターを上手く活用すれば、ユーザー側にとっては非常に大きなメリットをもたらすことができるでしょう。しかし、ユーザーが広告主を特定できるようになるため、広告主側にとってはこれまで以上にクリエイティブの表現内容に正当性が求められるようになります。
広告の表現内容と商品やサービスの事実内容との間に大きな齟齬があれば、炎上のリスクも高まったため、ユーザーに対して誤認させない、適切な表現を心がけましょう。
また、今後ユーザーは自身の認めた関心の高いコンテンツのみ広告を表示させることになります。
よりユーザーにインパクトを与え、共感を得られるようなメッセージ性のある広告を発信していかないとユーザーには刺さりません。
広告主はペルソナをきちんと設計し、サービスの訴求軸を精査して、他社との差別化ができるメッセージ性の強い広告を発信していきましょう。
まとめ
マイアドセンターはユーザーが安心して広告を利用できるようにGoogleが取り入れたツールです。
きちんとマイアドセンターでパーソナライズ化をすれば、日々のGoogleサービスの利用体験はぐっと上がり、より快適に利用することができます。
ユーザーとしても自分自身でどのデータがGoogle側に利用されているかが分かれば安心できますよね。
プライバシー保護の動きは年々重要性が増しています。
今後もGoogleはユーザーの個人情報を守るために新たな機能やサービスのアップデートを行っていくでしょう。
広告主側もその内容に合わせた対応が必要になるため、広告業界の動向は日々チェックしていきましょう。