動画広告の主要媒体9選!種類や選び方のコツを解説

WEB広告の中でも、現在一番需要のある動画広告。YouTubeをはじめ、FacebookやInstagram、Tiktokなど動画広告は出稿先の種類も豊富です。

動画広告の実施を検討しているけど、どの媒体を活用すれば良いのかと悩まれている方も多いのではないでしょうか。

今回は動画広告の主な媒体の特徴と出稿先の選び方のコツをご紹介します。

動画広告が持つ効果や動画広告のメリット、動画広告を行う目的といったそもそも動画広告とは何なのか分からないという方はこちらの記事で詳しく解説しておりますので、ご参考ください。

関連記事 【2023年版】動画広告の基本完全解説

動画広告の種類

動画広告は大きく「インストリーム広告」と「アウトストリーム広告」の2種類に分けられます。

インストリーム広告

インストリーム広告とは、動画プラットフォーム内の動画視聴再生枠で、動画の視聴前後や再生途中に表示されるCMのことです。動画広告の中で最も主流なフォーマットです。

インストリーム広告は動画視聴中のどのタイミングで広告が表示されるかや広告自体をスキップできるか否かなどで種類が分かれます。

プレロール広告

動画の視聴再生前に表示される動画広告です。プレロール広告は主に認知拡大を目的とする動画広告に効果的とされています。

ミッドロール広告

ミッドロール広告は動画の再生途中で表示される動画広告です。ユーザーも動画を最後まで視聴したいという気持ちもあるため、広告が完全視聴されやすいという特徴があります。

ポストロール広告

ポストロール広告は動画の視聴完了後に流れる動画広告です。コンバージョンの獲得を目的とする動画広告に適しているとされています。

スキッパブル広告

動画の視聴ユーザーが任意で広告をスキップすることができます。広告の再生から5秒が経過するとスキップできるようになり、動画本編に戻ることができます。ユーザー自身が広告を見るかどうかを選択できるため、広告への不快感は小さめです。

しかし、必ず広告を見てもらえるわけではないので、認知拡大ではなく、商品の購買促進などの目的で活用するのに向いています。

ノンスキッパブル広告

広告のスキップ機能がついていない完全視聴型の広告です。必ず視聴者に見てもらえるため、認知拡大の目的で使用することに有効です。ただし、ユーザーにとって関心の無いコンテンツであると不快であるため、内容次第では逆にマイナスなイメージを与えてしまう可能性があります。広告尺は15秒以下となります。

バンパー広告

6秒尺という短尺の完全視聴型の動画広告です。ノンスキッパブル広告と比べて、尺も短いため、ユーザーへの心理的負担は軽くなります。その分内容は簡潔に伝わるようにまとめなければなりません。

アウトストリーム広告

アウトストリーム広告とは、YouTubeのような動画再生プレイヤー内(イン)ではなく、再生枠の外側(アウト)で表示される動画広告です。具体的にはWEBサイトやアプリのディスプレイ広告枠に表示されます。動画を普段あまり視聴しないユーザー層にアプローチできるのが特徴です。

アウトストリーム広告もどの広告枠に表示されるかどうかでいくつか種類があります。

インリード広告

インリード広告はメディアに掲載されている記事やフィードなどのコンテンツの間に表示される動画広告です。ニュースメディアの記事やSNSのフィードページをスクロールして広告が表示されると動画が自動再生される仕組みとなっています。

広告の専有面積と視認性が高いため、動画を全編見てもらいやすいという特徴があります。

インバナー広告

インバナー広告はメディアのバナー枠に表示される動画広告です。従来の静止画のバナー同様、動画メディア以外の媒体にも表示させることができるため、動画視聴ユーザー以外の人にもアプローチすることができます。

インタースティシャル広告

インタースティシャル広告とは主にWebサイトやアプリ画面などページ遷移時に表示される広告です。目的のページに到達する手前で表示されるため、必ず広告を見てもらえるという特徴があります。

動画広告の媒体一覧

①YouTube

YouTubeは圧倒的なリーチ力を誇る世界最大級の動画配信プラットフォームです。世界のアクティブユーザー数は20億人、日本国内だけでも月間アクティブユーザー数は7000万人以上と言われています。総務省のデータによれば、10代から40代までは利用率が90%以上を超えており、年代問わず多くの世代が利用しています。※1

また、リーチ面だけでなく、精度の高い広告配信ができる点も特徴です。

Googleが持つ地域、年齢、性別といったデモグラフィックデータをはじめ、キーワードやトピックによる絞り込み、広告配信メディアを指定できるプレースメント設定といった様々なターゲティング設定が可能です。

広告運用に関しても日々アルゴリズムが進化し、キャンペーン目的に沿った広告配信最適化も容易です。

YouTube広告には複数の種類があります.

・TrueViewインストリーム広告

動画の視聴再生前後、再生中に表示される広告です。広告再生から5秒が経過するとスキップが可能です。

・インフィード動画広告(旧TrueViewディスカバリー広告)

YouTubeの検索結果画面や次のおすすめ、YouTubeアプリのフィード画面に表示される広告です。関連性の高いコンテンツを視聴しているユーザーに発信することができます。

・バンパー広告

6秒以下のスキップができない動画広告です。インストリーム広告同様動画の視聴再生前後や再生中に表示されます。

・アウトストリーム広告

YouTubeの動画コンテンツの外側の広告枠で表示されるモバイル専用の動画広告です。Google 動画パートナー上のウェブサイトやアプリにのみ表示されます。

・マストヘッド広告

YouTubeのホーム画面上部に音声なしで自動再生される動画広告です。1日1社限定と予約型となっており、利用をしたい場合は直接Googleの営業担当者に問い合わせる必要があります。

②Facebook

Facebookは世界で最もアクティブユーザー数の多いSNSです。世界のアクティブユーザ数は29億9000万人、日本国内では月間2600万人以上が利用しています。

ユーザーとしては30代から50代までのビジネスパーソンの利用が多いです。

Facebookで広告を配信を行う面での最大の特徴は精度の高いターゲティング設定です。

アカウント作成を行うには、実名、年齢、性別、所在地、学歴、職歴といったかなり細かいプロフィール設定を行う必要があるため、ピンポイントで狙った層にアプローチができます。

また、類似オーディエンスという既存の顧客と属性やWeb上での行動履歴が似通るユーザーをターゲティングする手法もあり、新規顧客の開拓にも有効です。

配信できる場所としては、以下があります。

・Facebookフィード
・Facebookインストリーム
・Facebookストーリーズ
・Facebookリール
・FacebookMarketplace
・Facebook検索結果

③Instagram

世界の利用人口は20億人以上、国内では3300万人以上のアクティブユーザー数がいるInstagram広告です。

写真や動画の投稿、閲覧に特化したSNSであり、画像や動画の閲覧に意識が高い10代から20代の若い世代が半数以上を占めています。

少し前までは画像利用がメインのSNSというイメージが強かったですが、最近はリール投稿というショート動画を投稿するユーザーも多くなり、最近は動画プラットフォームとしての認識も強まっています。

主な配信場所はFacebookと同様、フィード、ストーリーズ、リールが挙げられます。

Instagramのユーザーはクリエイティブそのものを楽しんでいるユーザーが多いため、他のメディアに比べ、広告に対するストレスが低いということもわかっています。

④LINE

LINEは日本国内においては最大の利用人数がいるSNSです。月間アクティブユーザー数は9500万人を超え、10代〜60歳以上までさまざまな年代の人が利用しています。

そのため、この非常に多いユーザーにアプローチができるのがLINE広告の最大のメリットでしょう。

また、配信面の多さが多いのも特徴です。

「トークリスト」「LINE NEWS」をはじめ、ショート動画の投稿・閲覧に特化した「LINE VOOM」、電子コミックサービス「LINEマンガ」等を含む10を超える各種サービスに配信が可能です。

⑤Twitter

日本国内の月間アクティブユーザー数が5895万人のTwitterは、最新情報を得られるというトレンド性に優れたSNSです。

10代から20代といった若い世代の利用のイメージが強いですが、30代、40代の利用も高く幅広い世代で利用されています。

最大の特徴はリツイート機能による拡散力です。
匿名性が高いため、ユーザーは気になったコンテンツがあれば積極的に拡散を行います。
内容次第ではサービスや商品の認知獲得において想定以上の成果を生み出す可能性もあります。

その分、炎上するリスクも他の媒体に比べて高いため投稿内容には注意しましょう。

Twitterの動画広告の種類は以下になります。

・プロモビデオ

Twitterのタイムライン上で流れる動画広告です。通常の投稿と同じく動画とテキストで構成されます。ユーザーも他の投稿と同じ感覚で広告が表示されるため、広告に対する不快感も少なく、最も一般的な手法になります。

・ファーストビュー

Twitterのタイムライン最上部に表示される動画広告です。1日1社限定の予約制となっています。認知獲得には絶大な効果を発揮します。

・ビデオウェブサイトカード

ツイート内に動画を“カード”として表示させ、カードをクリックしたユーザーを任意のウェブサイトやキャンペーンページに遷移させることができます。

・ビデオアプリカード

基本的にはビデオウェブサイトカードと同じですが、こちらの遷移先はウェブサイトではなく、アプリのダウンロードページになります。

・ビデオカンバセーショナルカード

動画の下部にアンケート機能がついた動画広告です。ユーザーがアンケートに回答すると自動的にハッシュタグ付きでリツイートされる仕組みになっています。

・Amplifyプレロール・Amplifyスポンサーシップ

Twitterで動画を視聴する際、本編の再生前に表示される動画広告です。対象となるのはTwitterが提携するパートナーの動画コンテンツを視聴すると表示されます。

⑥Tiktok

Tiktokは近年の中で最も利用者が増えている動画に特化したプラットフォームのSNSです。10代から20代のユーザーといった若年層の利用のイメージが強いですが、博報堂が行った調査によると、平均年齢は34歳となっており、ビジネス利用で活用するミドル世代の利用も増えています。

特徴としては、自分で動画を検索しなくても、独自のAIが利用ユーザーの興味関心を分析し、それぞれにあった動画をおすすめします。

主な広告形態としては以下のものがあります。

・起動型画面広告

アプリ起動時に表示される広告です。全ユーザーにアプローチすることができるので短時間で認知拡大を行いたい場合に有効です。

・チャレンジ広告

ユーザー参加型という他の媒体にはない動画広告です。企業がお題となるハッシュタグを作成し、ユーザーがハッシュタグの内容に沿う動画を作成します。ユーザー自身が動画を作成するため、自主的に拡散してくれる可能性があります。Tiktok広告の中でも最も反応が高いと言われている動画広告です。

・インフィード広告

Tiktokの視聴ページ「おすすめ欄」に表示される動画広告です。ぱっと見は通常の投稿と変わらないため、ユーザーに対して自然な感覚でいいねやコメントを促せます。

⑦Pinterest

Pinterestは興味のある画像や動画にピン(保存)をし、自分だけのアルバムを作成したり、作成したアルバムをシェアできる近年注目されている新しいSNSです。

このPinterestでも広告配信が2022年6月から可能となっています。

画像や動画に特化ということでInstagramと比較されることが多いですが、Instagramは自身の投稿を楽しむユーザーが多いのに対し、Pinterestは情報収集を目的で利用するユーザーが多いです。

そのため、他のSNSに比べて、情報収集しようとする意欲が高く、クリエイティブ一覧に馴染むような広告を作成すれば不快感を与えず、広告を見てもらえることができるでしょう。

⑧GDN・YDA(旧YDN)

GoogleとYahooがそれぞれ運営しているディスプレイ広告です。

GDNは”Googleディスプレイネットワーク”の略で、YDAは”Yahooディスプレイ広告”の略になります。

両者は機能面や配信を行う目的面で基本的に同じものを有しておりますが、配信先が異なります。

GDNはYouTubeやGmailなどGoogleが運営するサービスを中心に、Googleアドセンスを導入しているパートナーサイトにも配信が可能です。提携先は200万を超えるという圧倒的なネットワークを持っています。

YDAはYahoo!ニュースやYahoo!天気などYahooが提供するサービスを中心に、食べログ、クックパッドなど提携しているパートナーサイトにも配信が可能です。

Yahooは50代以上やPCで利用しているユーザーが多いため、Googleとはまた違ったユーザー層に訴求できるのが特徴です。

⑨Criteo

CriteoはフランスのCriteo社が運営しているダイナミック広告です。

ユーザーの興味関心や行動履歴に基づいて、動的にリマーケティングを行うディスプレイ広告になります。

商品の閲覧履歴をもとに自動でAIが適切な画像を組み合わせて広告を作成するため、主にECサイトのようなコマース系のサービスとは相性が良いとされています。

また、既に紹介しているGoogleやYahoo、Facebook、Instagramといった主要媒体にも配信が可能といった出稿先の多さが特徴です。

Criteoも2022年6月から動画広告のフォーマットに対応しました。

動画広告の課金形態

動画広告には大きく「CPM課金」「CPV課金」「CPC課金」と3つの課金方式があります。

それぞれの課金形式の特徴を解説します。

CPM課金

CPM(Cost per mile)課金は、1,000回ごとのインプレッション(表示回数)に対してコストがかかる課金形態です。再生時間に関わらず、広告が表示されたタイミングで課金される点に注意が必要です。バンパー広告はCPM課金で設定されます。

CPM課金と似た言葉でvCPM(viewable Cost Per Mile)課金というものがあります。vCPMはビューアブル=閲覧可能なインプレッション1000回に対してコストが発生します。

閲覧可能なインプレッションの定義は媒体ごとに異なりますが、多くの媒体では、広告が50%以上表示されていることや閲覧秒数によって定義されています。

CPMではユーザーが動画掲載位置までスクロールやロードをしなくても課金されてしまうケースもありましたが、vCPMは1インプレッションの定義が明確にあるため、CPMよりも透明性、公平な課金方式と言えるでしょう。

CPC課金

CPC(Cost Per Click)課金は、表示された広告が1クリックされるたびに課金される仕組みとなっています。ユーザーが実際にクリックというアクションを起こした指標となるため動画広告に限らず、他のWeb広告でも主流の課金方式の一つです

CPV課金

CPV(Cost Per View)課金は動画広告の視聴回数に応じて、掲載費用が課金される形態のものです。1視聴とカウントする再生秒数に関しても、3秒時点、5秒時点、完全視聴など媒体先によって定義が異なります。

配信先媒体選定のポイント

ここまで紹介したように動画広告には多くの配信先があります。そのため、動画広告で目的を達成するためには、適切な配信媒体を選択する必要があります。

ここからは自社にあった配信先を選ぶコツを紹介します。

商品やサービスとの相性が利用ユーザーと合っているか

一番大切なことは自社の商品やサービスと配信先の利用ユーザーとの相性が良いかということです。

例えば、BtoB商材でのリード獲得を目的としている場合は、経営者や企業のマーケティング、営業担当といった多くのビジネスパーソンが利用しているFacebook、アパレルやコスメといった美容関係であれば若い女性が多く利用するInstagram、家電やガジェットの紹介であれば多くのレビュー動画の投稿が多いYouTubeといったように配信に適する場所を見極めることが重要です。

広告フォーマットの確認

配信媒体先の広告フォーマットの確認も大事です。インストリーム、インリード、インフィードなど媒体によって使えるフォーマットは様々あり、フォーマットそれぞれに課金方式や広告サイズの規定もそれぞれ異なります。

せっかく良いクリエイティブを作ったところで、フォーマットの掲載規定に合わず、広告配信がそもそも行えないのでは意味がありません。

事前に仕様を確認し、規定に従った動画広告を制作しましょう。

まとめ

ご紹介した通り、動画広告の種類はたくさんあり、媒体によって特徴も様々です。

動画広告を成功させるには、各媒体の特性を理解した上で自社の目的を達成するために最適な選択をしましょう。

Videoクラウドでは、数多くの動画広告制作を支援してきました。

自社の目的に合う動画広告を提案させていただきますので、是非動画広告をご検討されている方は弊社の制作実績をご覧ください。

※ DIGIDAY:日本の TikTok ユーザーは平均34歳、博報堂調査が示す実態 : 要点まとめ

関連する記事