公開日:2021年03月08日
アニメーション動画の制作費用相場は?見積もりの注意点や費用をおさえるコツを紹介
日本人にとって親しみのあるアニメーション動画。キャラクターや背景、エフェクトなど多彩な方法で独自の世界観を生み出すことができます。撮影や出演者のキャスティングといった手間暇もないため、近年ではビジネスシーンにおいても多くの企業がアニメーション動画を活用しています。
これから自社でもアニメーション動画の導入を検討されている方もいらっしゃるのではないでしょうか。
そこで気になるのが制作費用です。
今回はアニメーション動画制作の費用相場をアニメーションの種類ごとにご紹介していきます。
またこの記事では費用相場をお伝えした上で、実際に動画制作会社に見積もりをとるときの注意点や費用をおさえるポイントについても合わせてご説明します。
なお、本記事で紹介している事例は他メディアでも取り上げられているわかりやすいものを取り上げています。
アニメーション動画の相場(種類別)
アニメーション動画は表現の幅が広く、様々な種類があります。今回は代表的な8種類のアニメーション動画の費用相場を紹介していきます。
種類 | 費用 |
---|---|
スライドショー | 10〜30万円 |
モーショングラフィックス | 30〜200万円 |
パラパラ漫画 | 80〜150万円 |
ストップモーションアニメーション | 20〜30万円 |
ホワイトボードアニメーション | 50〜100万円 |
キャラクターアニメーション | 50~100万円 |
フルアニメーション | 300万円~ |
3DCG | 300万円~ |
スライドショー
スライドショー形式のアニメーション動画とは、複数の静止画やグラフィックをつなぎあわせる動画のことを指します。
比較的専門的な編集スキルを必要とせず、簡単に制作が可能です。
制作相場も10万円~30万円程度で制作ができ、制作期間も2週間程度あればできあがります。
主に簡単に短い時間で商品やサービスの説明をしたいときや広告を打ち出すときに活用されるケースが多いです。
そのため、とにかく制作予算をおさえて、早く動画を完成させたい場合におすすめです。
費用相場 | 10〜30万円 |
制作期間 | 2週間程度 |
主な用途 | 簡単な商品説明やサービス紹介 |
モーショングラフィックス
モーショングラフィックスは文字やイラスト、図表、写真といった静止画に編集で動きを加える表現技法となります。
アニメーション動画の中で最も一般的に用いられている手法です。費用相場は30万円~200万円と非常に幅が広く、動きや表現をなめらかにすればするほど、手間や労力を要するため、費用が高くなります。
制作期間は1.5ヶ月から3ヶ月程度が目安です。クオリティをどの程度求めるかによって、費用や制作期間も大きく変わってきます。
モーショングラフィックスは親しみやすいイラストでサービスの特徴や仕組みをわかりやすく伝えることができます。
商品紹介、ブランディング、イベントやキャンペーンの告知、社内教育での活用とさまざまな箇所で活用可能です。
その中でも特に、技術的に説明が難しいテクノロジーやソフトウェア関連を扱うサービス、SaaSやクラウドといった無形商材を扱うWEBやITサービスを提供する企業とは相性が良いのでおすすめです。
費用相場 | 30~200万円 |
制作期間 | 1.5ヶ月~3ヶ月 |
主な用途 | 商品説明、サービス紹介、ブランディング、広告、教育 etc |
パラパラ漫画
パラパラ漫画式の動画とは、何枚ものの漫画を連続で素早く動かすことで、まるで漫画が動いているように見せる表現手法です。
基本的に白と黒のみを活用するシンプルな構成ですが、多くの枚数をイラストレーターが1枚ずつ手描きで書くため、費用が高くなる傾向にあります。
費用相場は80~150万円、制作期間は2ヶ月~3ヶ月が一般的です。
パラパラ漫画はシンプルながらも、視覚効果が高いため、視聴者に短時間で魅力的なストーリーを伝えることができます。SNSのようなソーシャルメディアに公開すれば、視聴者にシェアされる可能性があります。
費用相場 | 80〜150万円 |
制作期間 | 2ヶ月~3ヶ月 |
主な用途 | 広告、ブランディング |
ストップモーションアニメーション
ストップモーションアニメーションとは、静止している絵や人形などの物体を1コマずつ動かして編集する技法です。
パラパラ漫画と同様に連続した静止画を活用する点では同じですが、素材に人形や粘土、紙などの素材を活用します。
静止している物体を動かすだけで制作ができるため、1コマずつ漫画を用意しなければならないパラパラ漫画と比べると、費用相場は20〜50万円と比較的安めです。制作期間は1.5ヶ月~2.5ヶ月が平均となります。
あえてカクカクな動きを表現することで、可愛らしさや親しみやすさを伝えることができます。子ども受けが良いため、よく教育コンテンツとして使用されることがあります。
代表的な事例としては、世界的なアニメーション、ペンギンを主人公とする「ピングー」が挙げられます。
費用相場 | 20〜50万円 |
制作期間 | 1.5ヶ月~2.5ヶ月 |
主な用途 | 教育、ブランディング |
ホワイトボードアニメーション
ホワイトボードアニメーションは黒板や真っ白な背景に、絵や文字が逐次描かれながらストーリーが進行するアニメーションです。
手書きのあたたかみや直感的な表現が魅力的で、まるでその場で今講義を受けているようなライブ感を得られるため、視聴者の関心を一瞬で惹きつける力があります。
また、イラストや文字の描画過程を高速で再生させるため、プロセスや変化の表現を強調することを得意とします。
そのため、複雑なサービスの仕組みを説明する動画であったり、企業の経営理念のような概念的な説明となる動画、教育コンテンツにおすすめです。
費用相場は50〜100万円で制作期間は2ヶ月~3ヶ月になります。
費用相場 | 50〜100万円 |
制作期間 | 2ヶ月~3ヶ月 |
主な用途 | 商品説明、ブランディング、教育 |
キャラクターアニメーション
キャラクターアニメーションは登場キャラクターが会話するアニメーションです。実際にキャラクターがセリフを発するため、視聴者の耳に入りやすく、印象と親近感を強く与えることができます。
キャラクターは企業のイメージとなるため、企業の知名度をあげたいといったブランディング目的で利用するのがおすすめです。
企業チャンネルを作成し、YouTube投稿を行うことでよりブランディング効果を高めることができます。
制作費用相場は50万円~100万円になります。
オリジナルキャラクターを新たに作成する場合はキャラクター制作費や声を担当する声優費用がかかります。
また、既存の有名なキャラクターを使用する場合は別途キャラクター使用料が発生します。
制作期間は2ヶ月から3ヶ月です。
・キャラクターアニメーションの参考事例
費用相場 | 50〜100万円 |
制作期間 | 2ヶ月~3ヶ月 |
主な用途 | ブランディング、YouTube投稿 |
フルアニメーション
フルアニメーションとはいわゆるテレビアニメや映画のようにキャラクターや背景が自然に動くクオリティのアニメーションです。
フルアニメーションは、キャラクターと背景の全てのフレームを手描きまたはデジタルで制作するため、制作には時間と手間が非常にかかります。
その分映像美は圧倒的で、一瞬でその世界観に引き込むことが可能なことから、企業利用ではブランディングやTVCMで利用することが主な使い方になります。
制作費用は最低でも300万円以上は必要で、有名なアニメーターを起用するとなれば、制作費用は1000万円は軽く超えるでしょう。
制作期間は3ヶ月以上は必要となります。
費用相場 | 300万円~ |
制作期間 | 3ヶ月~ |
主な用途 | ブランディング、TVCM、WEB広告 |
3DCG
3DCGは3D空間内にキャラクターやオブジェクトを作成し、様々な角度で自由な表現ができるため、ダイナミックでリアリティのある動画を作ることができます。
空間全体を紹介したい不動産や建築業や製造業の製品開発の際のモデリングに活用されることが多いです。
ダイナミックなキャラクターの動きを求められるゲームのPVもわかりやすい例でしょう。
近年では、Vtuber市場も大きく伸び、3Dモデルキャラクターがイベント会場でライブを行うといったビジネス形態も広がっています。
制作費用相場は300万円以上となりますが、一度3Dモデルを作成してしまえば、使い回しがきくため汎用性は高いです。
複数のシリーズ制作をする場合におすすめです。
費用相場 | 300万円~ |
制作期間 | 3ヶ月~ |
主な用途 | PV、イベント、セミナー、広告 |
アニメーション動画の相場(工程別)
次に工程別にアニメーション動画の費用感をみていきます。
項目 | 費用 |
---|---|
企画構成費用 | 10〜20万円 |
ディレクション費用 | 10~50万円 |
グラフィック制作費用 | 10〜50万円 |
アニメーション編集費用 | 20〜100万円 |
BGMや効果音、ナレーション費用 | 5〜20万円 |
納品形式 | 1万円 |
制作会社に依頼する際の見積もり項目は上記となります。
企画構成費用
企画構成費用とは、クライアントの要望を元に、シナリオテーマを企画し、プロットや絵コンテに落とし込んで、アニメーションの土台となる構成を作るのに発生する費用です。
相場としては動画尺が30秒から1分程度であれば10〜20万円となります。当然動画の尺が長くなるとその分費用も高くなります。
ディレクション費用
ディレクション費用とはアニメーション制作の全体の進行管理をするディレクターに対しての費用です。
アニメーション動画制作は、企画構成から、イラスト制作、アニメーション編集、アフレコなど基本的にチームを組織し進行します。
複数のスタッフが関わるため、クライアントの求める品質を担保するためには、ディレクターがチーム全体の方向性をとりまとめ、円滑に進行を進める必要があります。
費用相場は制作内容や関わるスタッフ数などでもかわってきますので、10万円~50万円が相場となります。
グラフィック制作費用
グラフィック制作費用とはアニメーションに必要となるキャラクターやオブジェクトなどのデザイン作成にかかる費用となります。
デザイナーはトンマナを意識して、キャラクターやオブジェクト、背景を1枚1枚作成していきます。
デザイナーのスキルによって大きく費用感が変わってきますが、10万〜50万円が一般的です。
アニメーション編集費用
アニメーション制作費用とはグラフィック制作で作成したイラストを連続で表示させて、少しずつ動きを入れていく際に発生する費用です。
制作するアニメーションによって大きく費用感が変わってくる項目になります。
そのため、費用相場の幅も大きいですが、20万~100万円ぐらいが相場となります。
キャラクターや背景などの動きはこの工程で仕上げ一つの映像にします。
BGMや効果音、ナレーション費用
アニメーション映像ができあがったら、効果音やナレーション、BGMといった音を組み込む作業となります。
BGMや効果音は音源素材サイトから購入する必要があります。
ナレーションを入れる場合は、ナレーションの経験や原稿のボリューム、収録に必要となる所要時間によって費用感も変わってきます。
収録に1時間程度が必要な場合はスタジオ利用料金を含め、約5万円~となります。
見積もり時に注意する点
アニメーション動画の制作相場がわかったところで、ここからは実際に制作会社に見積もりを取るときに注意しなければならないポイントを紹介します。
著作権の所在と二次利用の確認
見積もり時に注意しなければならないのが著作権の所在と二次利用の範囲の確認です。
基本的に制作動画の著作権は制作会社側にあるのが原則となります。
そのため、完成した動画をクライアント側が後に自由に編集したりすることはできません。
二次利用の範囲についても同様です。
基本的に動画制作は二次利用できますが、「WEBサイトに公開する」、「展示会やイベント会場で使用する」、「販売目的で利用する」などでもそれぞれ追加料金の有無が変わります。
こちらの確認が見積もり時にできていないと、のちのち思わぬ追加料金が必要で予算オーバーという事態の可能性もあり得るため、きちんと確認しておきましょう。
著作権の譲渡相談にのってくれる会社もあるため、二次利用の範囲が事前に広くなりそうだとわかっている場合は著作権譲渡費用についても見積もり時に確認することをおすすめします。
修正依頼時の費用や追加で費用が発生するケースの確認
動画編集の修正回数も何回まで対応が可能なのかも事前に確認しましょう。
制作会社側はクライアント側の要望を汲み取り、イメージにあう動画を制作していきます。
しかしながら、一発でイメージ通りの動画に仕上げることは非常に難しいです。
何度か双方でやりとりを行い、修正を繰り返していくことでイメージにあう動画を完成させます。
そうはいっても制作会社も納期があるため、動画編集の修正は2回まで、3回までと基本的に修正回数の上限を定めています。
もし、上限を超えて、修正をお願いしたい場合は追加費用がどれぐらいかかるのかも確認しておきましょう。
また、動画納品後に改めて修正をお願いしたい場合の費用についても確認しておきましょう。
これら以外にもどういったケースで追加費用が発生するかも確認しておくと安心して予算をおさえることができます。
アニメーション動画の費用を安くおさえるコツ
アニメーション動画制作は当然それなりに高額な費用がかかってきます。少しでも制作予算をおさえたいとみなさん考えているでしょう。
ここからはアニメーション動画の制作費用を安くおさえるコツを3点紹介します。
動画尺を短くする
動画制作において一番費用に大きく影響してくるのが動画尺です。
動画の時間が長ければ長いほど、動画を編集する時間、制作スタッフの人件費がその分長くなります。
とにかく予算が限られている場合は、まず動画の尺を短くすることを考えましょう。
アニメーションの表現方法によって費用感は変わってきますが、1分程度の尺であれば10万円~30万円程度で制作も可能でしょう。
しかし、企画のシナリオ設計やディレクションも含む場合は少なくとも50万円は必要となってきます。
動画尺を短くする場合は、伝えたいメッセージを一つに絞って作ることが大事です。
素材を提供する
グラフィック制作で使用するキャラクターや背景、図表、音源などの素材も可能な範囲で構わないので、制作依頼側が用意すると費用をおさえることができます。
制作会社もグラフィックで使用するイラストやBGMは素材提供サイトから購入して用意します。
素材購入費用を浮かせられればその分見積もりも安くなります。
イラストも音源どちらに関しても、最近ではロイヤリティフリーで購入できるサブスクリプション型のサービスがたくさんあるため、そのようなサービスの利用もおすすめです。
企画構成は内製対応する
動画制作において、動画尺と同様に大きく費用に影響してくるのが、企画構成費用です。
企画構成費用の相場感は先ほど述べた通り10〜20万円となります。
絵コンテや脚本の作成は専門的なスキルや経験がないと難しいかもしれませんが、動画制作の要件定義を依頼時にきちんと提示すれば、動画制作の方向性や目的が定まります。
制作側がイチから全て動画のストーリー設計をする必要がなくなるため、大幅にリソースを削減でき、その分コストもおさえることが可能となります。
また、これによって依頼側も制作側も今後円滑にコミュニケーションが取れるようになります。
のちのち無駄な作業や修正回数も大きく減らすことにつながり、追加の費用発生の可能性も下げることができます。
まとめ
アニメーション動画は表現技法のバリエーションも豊富なため、種類によって制作相場も変わってきます。
そのため、アニメーション動画を制作する際は、予算と要件定義にあったアニメーションの種類を選ぶことが重要です。
また、少しでも予算をおさえた場合は以下の点に気をつけましょう。
- 動画尺を短くする
- 素材提供をする
- 企画構成は内製対応する
Videoクラウドではこれまで数多くの企業様のアニメーション動画を制作してきました。
制作をご検討の場合はお気軽にお問い合わせください。